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PROJECT
05

Allem Yoshizuka
アレム吉塚

2021年6月。ProjectStory.03に続き、不動産事業の2号案件となる不動産投資物件「アレム吉塚」が完成した。本プロジェクトではミナトマネジメントが事業主となり、株式会社NKトラスト(以下、NKトラスト)がプロジェクトマネージャーとして参画。周辺の同規模・同水準の賃貸マンションとは一線を画す質の高い建築物と計画的なリーシングによって、竣工間もなく入居率100%を達成した。今回の対談ではNKトラスト代表・母袋智昭氏に加えて、建築工事担当の有澤建設株式会社(以下、有澤建設)・藤木取締役営業部長、設計・工事監理担当の株式会社サンユニオン(以下、サンユニオン)・薦田氏を迎えて計4社の面々が一堂に会した。理想的なチームワークを見せた本件の成功を、ミナトマネジメント代表・倉本達人と不動産事業担当・加藤大が紐解く。

※会社、役職等は当時のものです

BASIC INFORMATION

所在地 福岡県福岡市博多区
地積 132.3平方メートル
建物構造 鉄筋コンクリート造10階建
建物用途 共同住宅
パートナー企業 株式会社NKトラスト 有澤建設株式会社 株式会社サンユニオン

MOVIE

SCENE 01プロの情熱を高める人間同士の絆

「不動産案件はタイミング」と倉本が語るように、理想的な土地の取得は躊躇が命取りになる。本案件の土地は全国的に有名な大手不動産会社が所有していたもので、駅から徒歩5分と立地条件も申し分なかったため、市場に出た途端に注目を集めた。この土地にいち早く目を付けたNKトラスト・母袋氏は、1号案件の成功直後だったこともあり、すぐに倉本へ話を持ちかけた。長年の経験を持つ母袋氏の嗅覚と目利き力を高く評価していた倉本はすぐに賛同し、さらに安定したリターンを見込んだ上で取引条件を成立させることができた。

不動産事業の2号案件となる今回は、ミナトマネジメントが事業主となり資金を100%出資、自社の債務保証で金融機関借入を行った。この背景にはミナトマネジメントの不動産経験値を上げる目的があったが、資金提供という形で参画した1号案件とはプロセスが大きく異なった。まず、今回のような小型物件は普段付き合いのあるメガバンク系の金融機関ではなく、地元に根差した金融機関(地銀/信金/信組)が融資をするサイズ。そのため本物件のために福岡市に100%子会社を設立し、その子会社を借入人とした金融機関借入を行うこととなった。しかし、金融機関が違えばそのノウハウも異なる。ここでも強力なパートナーとなったのが福岡で広く事業を展開しているNKトラストだ。「文字通り“手取り足取り”のサポートを受けて地元金融機関との関係構築に努めました。ミナトマネジメントは金融・資金調達のプロですが、すべての事業において対象の知見と経験値が高い、優秀なビジネスパートナーとの関係性が不可欠です。」と倉本は振り返る。

ProjectStory.03で取り上げたように、倉本と母袋氏は小中学校の同級生という間柄。不動産業と金融業、それぞれのプロとして再会した2人は、1号案件の成功でさらに信頼関係を強固にしていた。今回は母袋氏がプロジェクトマネージャーとして建て付けを進めていったが、氏は当時の心境をこう語る。「非常にプレッシャーでした。何かあれば責任は事業主であるミナトマネジメントに降りかかります。事業としての失敗が許されないのはもちろんですが、単純に“友人を失いたくない”という想いが強かったですね。」

人間同士の絆によって、プロフェッショナルのパフォーマンスはより高まる。物件価値を大きく左右する設計施工業者の選定は取引実績のない業者にも声をかけ、公平かつ厳しい目線で行われたが、そこで他を引き離す提案を行ったのが有澤建設とサンユニオンだ。「デザインとそれに伴うコストバランスが群を抜いて素晴らしく、全てにおいて2社のタッグが優っていました。自信を持ってミナトマネジメントにおすすめできると思いました。」こうして建築業者が決定。母袋氏の決定に間違いがなかったことは後に証明される。

SCENE 02困難の連続に現状を超える打開策を

業者の選定を母袋氏に一任した倉本だったが、4社の信頼関係を築くのにそう時間はかからなかった。「設計やデザインに関わる提案で、“あれ?”と思ったことが一度もなかったのです。すべて素晴らしいレベルで非の打ち所がない。最初からフィーリングが合致したことも大きいと思います。」と倉本は言う。

設計段階はサンユニオン主導で問題なく進行していったが、竣工までの道程は簡単ではなかった。まず最初のトラブルは重機や資材の搬入に伴う道路使用許可が一部下りなかったこと。この搬入問題を解決するため、継手が可能な鋼管杭工法への変更を余儀無くされた。さらに工事中は近隣へ間断なく配慮し、地域に受け入れていただけるよう気が抜けない。そんな数々の困難の中でも、最も大きな問題となったのが杭基礎工事だった。地盤が予想以上に固かったため10階建に耐えうる深度まで杭が到達できず、工事は一時中断を余儀無くされてしまった。当時の状況を、薦田氏はこう振り返る。「杭の深度に応じて建物の階層を減らす方法もありますが、それでは予定していた部屋数が確保できません。前提条件を変えないまま、確かな安全性を保つために検討と検証を重ねました。」そして藤木氏と薦田氏を中心に協議を重ねた結果、最終的には必要な地点まで杭を“打ち続ける”という方法で状況を打開したというから驚く。

こうして最大の難関を乗り越えたが、時はコロナ禍。資材調達に遅延が生じた他、感染対策を徹底しながらの工事は常に緊張の連続だった。しかし、藤木氏・薦田氏は共に「このメンバーで仕事させていただけて本当によかった。」と笑う。「外観デザインをはじめ、至る所で決定を委ねていただけたのは嬉しかったです。私を信じてお任せいただいていることが伝わりました。」と語るのは薦田氏。これは先述の母袋氏の発言にあるように、倉本から信頼されることへの「プレッシャー」が、チーム全体の士気を上げた結果だろう。このプロフェッショナル同士の敬意と信頼が個々の能力を引き上げ、最大限のパフォーマンスを生んでいく。

SCENE 034社のプライドが最高地点で結実

2021年6月、「アレム吉塚」は無事竣工を迎えた。完成した物件について、倉本・加藤・母袋氏の3名は口を揃えて物件の「高級感」を讃える。特にエントランスホールはラグジュアリーな雰囲気に満ち、周辺の同規模・同水準の賃貸マンションと比べるとその差は歴然。「有澤建設は言わずもがなの創業100年を超える老舗企業ですし、福岡の業界でサンユニオンを知らないのは潜りだと言われるくらい評判がいいんです。適正な価格で他よりも質の高い資材を使用されており、仕上がりが格段に違う。依頼して良かったと安堵しました。」と母袋氏は語る。

竣工後、倉本の元に有澤建設から竣工アルバムが届いた。写真はもちろん装丁のクオリティも素晴らしく、倉本は感動に近い驚きを覚えたという。「お客様に“感動”を与える手段のひとつとして様々な形を試し、1年ほど前に現在の作品アルバムの形に落ち着きました。」と藤木氏が語る通り、物件同様並々ならぬこだわりを感じる。

期待を超える完成度のアレム吉塚だが、いくら物件が優れていても実際に運用できなければ意味がない。ここからは加藤の手腕がものを言う。工事途中から信頼のおける賃貸業者を選定して打ち合わせを重ね、市場を読んで適正価格での運用を開始。内見した賃貸業者からは「住みたい!」という率直な評価も得て、竣工直後から人気物件となり、入居率100%を達成することができた。「入居者はもちろんですが、将来的にEXITを考える場合も想定し、物件価値を保つことが重要です。その点、有澤建設とサンユニオンさんの設計施工にはとても感謝しています。」と加藤が語るように、4社のプライドが互いを高め合い、安定的なキャッシュフローが見込める優良物件が完成した。

LOOKING TO THE FUTURE
不動産の真価を創造する
アレムプロジェクト

今回の案件はファイナンスから設計、施工まで一貫して福岡の地で完結させ、地産地消ビジネスの大きな成功例となった。4社のチームワークが強固なのは、「地域還元の経済システム確立」という大きな目標に全員が共鳴した結果かもしれない。不動産における「真価を創造する」という意味で、チームが一丸となって同じ未来を見据えていた。 物件名「ALLEM(アレム)吉塚」は、加藤が名付けた。「アレ」はフランス語の“aller”にあたり、スポーツにおける「がんばれ!」「いけ!」といった掛け声に使われる語。「ム」はミナトマネジメントの“M”、さらにはNKトラスト母袋氏(Motai)の頭文字から“M”の意味を込めた。強 力なパートナーとともに前進を続ける本プロジェクトにふさわしい名となった。 「アレ!」の精神で自分自身を鼓舞し、着実に積み重ねた信頼は、必ずや投資家のみならずステークホルダー全体の利益を築いていく。素晴らしい同志を得て、さらに加速を続けていく「アレムプロジェクト」から今後も目が離せない。

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