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PROJECT
04

Enepark Takamatsu Solar Park
エネパーク高松発電所

香川県高松市、山あいの丘陵地。ミナトマネジメント初の四国エリア案件となった本プロジェクトは、2017年3月に運転を開始した「日光板橋発電所」案件(以下、日光案件)に続き、人的な信頼関係から生まれたものだった。日光案件のキーパーソンであり、本件の開発を率いた朝日I&Rホールディングス株式会社(以下、朝日I&RHD)の副社長でもある長澤猛氏、同社グループの朝日I&Rエナジー株式会社(以下、朝日I&Rエナジー)再エネ事業部部長・小野賀寛氏、同課長・猪村有利子氏とともに、ミナトマネジメント代表・倉本達人、資金調達担当・津田愛珠、開発担当・加藤大でプロジェクトを振り返り、太陽光発電のあり方を捉え直す。

※会社、役職等は当時のものです

BASIC INFORMATION

投資案件 再生可能エネルギー投資
所在地 香川県高松市塩江町
発電容量 1,490kW
完工年月 2019年3月
パートナー企業 朝日I&Rホールディングス株式会社

MOVIE

SCENE 01人の縁から始まり
実績でつないだ案件

ミナトマネジメントが太陽光の事業を始めて1年ほど経ったころのこと。倉本の出身地が福岡であることが機縁となって、九州地方を中心に数多くの太陽光発電開発を手掛ける朝日I&RHDの代表取締役・野畑氏との関係が生まれた。すぐに仕事をともにする機会には恵まれなかったものの、同氏を通じて長澤氏と知り合ったことで日光案件につながった。そしてその成功が本プロジェクトの萌芽となり、念願の開発体制を実らせた。

長澤氏はことの経緯を振り返る。「本件の開発IDを朝日I&RHDグループが取得したのは、2013年でした。固定価格買取制度(FIT)の初年度に申請された買取価格40円の物件でしたが、系統連系に時間が掛かることから売りに出されていたんです」。それから5年が過ぎた2018年6月。改めて開発の是非を考えていたタイミングで、倉本との話が持ち上がった。

長澤氏は当初、ミナトマネジメントを介しての売却を考えたという。ところが概要書を渡した3日後に、共同投資開発の打診を受けた。これについて倉本は「ID取得からの時間経過を鑑みると、系統連系以外の懸念があることも推測されました。しかし買取価格40円という希少な案件、ぜひ手掛けてみたいと思いました。長澤さんならば、実情を包み隠さず話してくれると信じていましたから」と語る。津田も同感だった。「話を聞いたときは身構えましたが、長澤さんの案件だからという安心感がありました。問題点をきちんと洗い出せば、キャッシュフローをつくる立場としても数字的に面白いのではないかと」。日光案件で信頼関係を築いたパートナー同士、長澤氏の反応も早かった。「地元の銀行と組むというミナトマネジメントさんのアレンジは、とても興味深いものでした。ぜひまた一緒にやりたいと思い、全容をお話しました」。提案からすぐに現地入りして銀行との話を取りまとめ、8月には手付金を支払う合意に至った。

SCENE 02盤石な開発体制のもと
それぞれが本分を発揮

建設前の様子

本プロジェクトで懸念されていたのは、土地の追加取得と工事の許可だった。香川県では緑化の推進と保全に関する「みどりの条例」が制定されており、林地開発と同等レベルの開発行為が求められていた。そのため、登記上は開発に必要な面積を確保できていたものの、造成工事を最小限に留めなければならないことから、太陽光パネルを設置できるエリアが限定された。そうした事情により、土地の追加取得が不可欠となった。この問題に当たったのは、開発現場を指揮した小野氏だった。「土地の確保のため、地権者の方々と何度も協議を重ねました。様々なご意見に真摯に対応することで、ご理解をいただきました」。その後すぐ、工事の許可申請に入った。想定よりも時間は掛かったが、2018年11月に許可を取得。翌年1月に着工した。

建設前の様子

こうした動きを、猪村氏がサポートした。「小野は現場を飛び回っているので、関係各所との連絡窓口を一手に担いました。その内容は工事の状況報告から各種資料の手配まで多岐にわたりましたが、滞りのないように努めました」。その仕事ぶりに津田は「金融機関との協議には様々な資料が必要になります。猪村さんのコミュニケーションは本当に早いので、いつも助けられていました」と感謝する。倉本も賛同した。「朝日I&Rエナジーさんに全幅の信頼を寄せていたので、我々は自分たちの仕事に専念することができました。そのバックアップに加え、銀行さんが融資に積極的な姿勢を示してくれたからこそ、投資家の方のリターンを確保できる借り入れ金額や金利・利息の水準に落とし込めたと思います」。

SCENE 03細やかな対応力がさらなる信頼感に

順調に進むと思われた工事だったが、終盤に歪みが生じた。小野氏は「土地の取得や工事の許可に時間を要したことで、工期が非常にタイトになってしまいました。そうした影響で設計図の完成が遅れ、設備の一部に不具合が発覚。しかし3月末の運転開始に支障をきたさぬよう、各所と連帯してリカバーしました」と回顧する。この件について加藤は「予期せぬことでしたが、朝日I&Rエナジーさんの対応には目を見張るものがあり、より深い信頼感につながりました」と言う。そうした思いに至ったのは、同社のきめ細かい配慮を常に感じていたからだった。

「現場はいつも整理整頓され、訪れるたびに綺麗になっていました。技術レベルだけではなく、お客様のための仕事という姿勢が徹底されていました」。これに対して猪村氏は「弊社の現場担当はいつも『自分の発電所と思ってやってくれ』とスタッフに掛け合っています。通常の業務についても問題時の対応においても、関係者の方、地域の方、誰から見られても恥ずかしくない仕事を心がけています」と答えた。加藤は「地域貢献は弊社のコンセプト。そういった思いで保守管理を担っていただけることに感謝しています」と語る。倉本も本案件を通じて、より良いかたちで地域や自然と共生していけるような管理方法を考え始めたと言う。「例えば発電に影響がない場所に樹木や草花を植えるなど、ただ単に太陽光発電という機能だけではなく、地元の方が見ても楽しめるようなものにしていきたい」とアイデアを模索している。

LOOKING TO THE FUTURE
人、地域、環境、未来より
良い共生を目指して

人の縁が仕事を生み、その成功がさらなる成果を育んだ本案件。倉本は「人を基本に据えた仕事が、これまでの実績になってくれたと思っています。そういった意味でも、また一つ絆を深められました」と喜びを口にする。互いの信頼関係のもと、それぞれが実力を発揮できたことで仕事の純度が高まり、価値の高いプロジェクトになった。長澤氏は今回の案件をこう評価する。「東京の企業が、短期間で地方銀行の信用を獲得し、融資を取り付けたことに感嘆しました。即座に現地に向かう行動力やフレキシブルな金融スキームに、銀行さんも驚いたのではないでしょうか。ミナトマネジメントさんのアイデアは非常にユニークなので、第3弾につながればと期待しています」。倉本はこの言葉に笑顔を浮かべながらも、さらにその先を見据える。「太陽光発電を手掛けるということは、20年間その地域に関わっていくということ。地元の方々に発電所の存在意義をどう理解いただき、喜んでいただくか。また、自然環境に配慮しつつ、どうやってエネルギー問題に貢献していくか。それは、我々に課された大きな宿題です。信頼できるパートナーの皆さんとともに、より良い太陽光発電のあり方を考え続けていきます」。

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