PROJECT
07
Mega Solar Project
メガソーラープロジェクト
国内大手エネルギー会社A社と、大手総合リース会社B社の共同投資による、メガソーラーポートフォリオ案件において、ミナトマネジメントは発電所の取得段階からプロジェクトに参画した。青森県、福島県、島根県の3か所に点在する特別高圧(2,000kW以上)のメガソーラーの取得にあたり、様々な課題解決のために、顧客と一体となって取り組んだ。共に困難を乗り越えたB社の関係者らと、ミナトマネジメント津田・倉本が本件について振り返る。
※会社、役職等は当時のものです
SCENE 01クロージングを阻んだ、
「土地」の問題
はじまりは、2020年3月。青森県、福島県、島根県の3県に所在する複数のメガソーラーの取得にあたり、共同投資家として、大手国内エネルギーA社から指名を受けたのが、大手総合リース会社B社だった。話が上がった初期段階から本件に携わるB社の関係者はこのように振り返る。「ここまで大規模な投資は、当社としても初めてでした。売主は海外の投資家なので、対面の面談も難しい。コロナ禍で出社制限があるため、メガソーラーのある国内3か所に足を運ぶのも難しい。そんな状況下で、会議を重ねていきました」
同年4月には新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言がなされ、新しい生活様式に社会が切り替わる過渡期だった。実際に現地に足を運ぶことができたのは、プロジェクト発足から4ヶ月後、2020年7月のことだった。同年10月には売買契約を締結し、年明けの所有権移転を予定していたものの、現地調査の結果、想定していなかった事態に見舞われる。購入前に解決すべき土地の問題が、90以上もあることが判明したのだ。さらに、課題は土地にとどまらなかった。設備面においても、設計基準や適切な耐雪仕様など、多岐にわたる問題が次々と顕在化した。ミナトマネジメントは、多数のイシューの解決に向け、初期段階から伴走することとなった。
SCENE 02プロファイの基準を満たすまで、
粘り強く、泥臭く
不動産業界には土地の権利関係を専門に扱う事業者が存在するため、大手のデベロッパーが自ら個別に訪問対応をするケースはほとんどない。だが、再生可能エネルギー分野ではこうした専門機能が十分に整備されておらず、加えて本件のように大規模でありながら権利関係の整理が不十分な案件は極めて稀だった。そこで、課題を解決するにあたって、B社とミナトマネジメントの津田はイシューを抱える土地に足を運び、一件ずつ確認していった。
「使用権限を正式に確保していない土地、さらに資料を遡っても明治時代の抵当権が設定されたままの土地があったりと、管理がずさんな状態でした。公図を頼りに地番を確認しながら歩き回って、1日の歩数が3万歩を超えていた日もありました」とB社の関係者は笑う。売主である海外の投資家は、細部まで確認しないまま、それ以前のオーナーから購入しており、課題が山積していることすら把握していなかった。売主と買主間で、認識をすり合わせるところに、かなりの時間を要することとなる。さらに、本件は取得後にプロジェクトボンドによるリファイナンスが予定されていた。取得にあたってはそれが実現できる基準を満たす必要がある。
売買のクロージングは、当初予定から約2年遅れた2022年3月となった。さらに、クロージングから5ヶ月後、リファイナンスに至るまでも怒涛の日々が続いた。プロジェクトボンドスキームであったこともあり、レンダー側からの要求も多岐にわたった。「クロージングの3日前に、ある土地の権利が確保できていなかったことが判明したことも。眠れない日々が続いて、生きた心地がしませんでした。売買の日は、人生でも忘れられない一日です」とB社の関係者はこのように語る。「プロジェクトファイナンスの基準に持っていくのが非常に大変だったと記憶しています。誰がどの角度から見ても、20年間、安定的に事業を継続できる状態であることが求められます。エビデンスを積み上げて、担保にとっていくわけですが、最後の最後まで残るのはやはり土地の問題です。権利がとれていない、相続ができていない。そういった問題を、一つひとつ粘り強く解決していった。このあたりは、弊社の津田がB社にしっかり伴走してくれました」と倉本は語る。
SCENE 03できない理由ではなく、
できる理由を探す
2022年7月には、リファイナンスが完了。現在もメガソーラーは安定稼働を続け、本件は変わらぬフォーメーションで継続中だ。また、本件のような大規模共同投資案件を実現した実績は、B社の対外的な評価にもつながったと関係者は語る。「A社の共同パートナーに指名されたというところで、弊社の名前が一気に知られるようになったと感じています。この規模の案件を実現できたのは、ミナトマネジメントさんのおかげです」「他のAMなら匙を投げてしまうようなことでも、粘り強くやっていただいた。特にリファイナンスのところでは、レンダーさんとの交渉は、ミナトマネジメントさんがいらっしゃらなかったら実現できていないと思います。精神的なご負担をおかけしたこともあったかと思いますが、懇切丁寧にサポート頂けたと思っています」
また、本件をきっかけにB社の投資案件において、ミナトマネジメントがAMを務める案件も増えてきている。倉本は次のように述べる。「最初は聞いたこともない小さな会社がAMになるということで、コンソーシアムの中には不安に感じた方もいらっしゃったと思います。けれども売主との交渉やクロージングに向けての手続きを経て、弊社に対する見方が大きく変わったのではないかと思っています。最後は、『津田さんのおかげで』といった言葉もいただきました。痒いところに手が届くように、細かいところまでフォローを欠かさない。できない理由ではなく、できる理由を探し続ける。その辺りのスタンスを、B社をはじめ、コンソーシアムの皆さまにご評価いただけたものと考えています」津田はこのように続ける。「当社を単なる外部パートナーではなく、プロジェクトをともに推進するチームの一員として受け入れていただいたことはとても大きかったと思います。とくにリファイナンスまでの数ヶ月間は、昼夜問わず協議が続き、負荷のかかる局面も多々ありましたが、その過程でおのずと結束力が生まれ、チームワークを発揮することができました」
LOOKING TO THE FUTURE
信頼のもと、
実直に事業を続けていく
本プロジェクトは同社にとって太陽光発電分野におけるAMとしてのプレゼンスを一層高める契機となった。今後も、これまでに培ってきた実績と信頼を基盤に、太陽光AMとして着実かつ実直に事業を推進していく方針である。倉本は次のように締め括った。「本件は、当社にとってターニングポイントとなった案件です。会社としてもそうですが、津田や私個人にとっても、かなり印象深い仕事です。こうした大型案件は、ビジネスパーソンとしてのキャリアの中でそう何度も経験できるものではありませんが、本件は間違いなくその一つです。私だけでなく、本プロジェクトに関わった多くの関係者は、皆さん同じ想いを持っていると思います」