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COLUMN

コラム第72回 「節税」商品について ⑤「節税」不動産に対する規制と新しい動き

前回のコラムでは築古木造住宅を対象とした投資商品のお話をしました。
今回はこれに対する法規制と、それに対する投資家の動きをお話しします。

 

コロナ前まではアメリカを中心として築古木造住宅の投資が非常に多かったように思います。
これに対して2020年の税制改正大綱において規制が発表され、翌年施行されました。
具体的な内容を記載します。

 

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【租税特別措置法第41条の4の3 国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例】
個人が、令和3年(筆者注:2021年)以後の各年において、国外中古建物から生ずる不動産所得を有する場合においてその年分の不動産所得の金額の計算上国外不動産所得の損失の金額があるときは、当該国外不動産所得の損失の金額に相当する金額は、所得税法第26条第2項及び第69条第1項の規定その他の所得税に関する法令の規定の適用については、生じなかつたものとみなす。
(後略)

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海外の築古木造住宅に投資をしていたのは主に個人投資家でしたので、この法規制により一定の歯止めがかかったことになります。
ただ、だからと言って課税繰り延べ効果を狙った投資商品がなくなったわけではありません。
この規制を受けてどのような動きがあるのか、いくつかご紹介します。

 

① 法人が投資家となり築古木造住宅に投資
上記の規制は読んでわかるように「個人」を対象としています。「法人」はその規制の対象外ですので、法人名義での投資は従前と変わらず行うことが可能です。

 

② 取得資産の細分化
取得した資産を単純に「土地」と「建物」にわけるのではなく、さらに建物に付随してくる「備品」や「構築物」に細分化し、取得価額を配賦することで減価償却効果を高める投資商品の設計がなされているケースがあります。
減価償却資産の法定耐用年数は当然ながら建物が一番長く、構築物や備品はそれよりも圧倒的に短いです。例えば木造の門扉などは構築物として10年、システムキッチンなどは備品として(構造によりますが)8年で償却します。かつ、これらは定率法での償却が可能ですので、より高い減価償却効果が望めます。
これらの配賦については第三者機関の評価により各品目の評価額を割り出す方法や、リフォームをすることで支出額を明確にする方法などがとられているようです。

 

減価償却効果を狙った「節税」商品はあくまで課税繰り延べの効果しか持たず、税負担が将来に繰り延べられているにすぎません。
目の前の課税負担を回避したいという心情は理解できます。しかしながら目先の負担回避ばかりに気をとられて、肝心の投資の意味=投資元本が回収され、一定のリターンを得ることができるのかの検討がおろそかになってしまっては本末転倒となってしまいます。
当社のお客様にもこのようなニーズをお持ちの方が数多くおられます。投資対象の本来の価値を見極めつつ、お客様のニーズも満たす、ミナトマネジメントらしい商品をこれからもこだわって作っていきたいと考えています。

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