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COLUMN

コラム第71回 「節税」商品について ④不動産の節税効果

前回まで、減価償却効果を使った課税繰り延べ=節税の投資商品についてお話ししました。
その投資対象としてドローンや足場などといった少額投資の資産やコインランドリーなどを例に挙げました。ただ、当然ながら減価償却資産はどれも考え方・作りこみの仕方次第で同様の「課税繰り延べ」効果を持った投資商品となり得ます。
今回は、古くて新しい不動産についてお話ししたいと思います。

 

つい最近まで、「築古木造住宅」の投資がもてはやされていました。
木造の居住用建物の税務上の法定耐用年数は22年です。
日本でも、この法定耐用年数を超えて住居として使われている建物はたくさんあると思います。
日本の税制上、法定耐用年数を経過した償却資産を取得した場合、木造住宅の耐用年数は4年であり、償却率は25%なので築古住宅の減価償却の効果は高いと言えます。
耐用年数は鉄筋コンクリート造より木造の方が短いので、同じ築年数でも木造の建物の方が法定耐用年数が短く、結果として減価償却効果が高い建物が多くなると言えるでしょう。
ただ、こういった「日本の築古木造住宅」はあまり課税繰り延べ効果を生みません。
なぜか。
日本は土地の値段が高く、不動産を買ったときの土地と建物の価格割合について土地の割合が高くなることが多いからです。

 

不動産を購入したとき、土地建物の内訳を決めずに売買が行われた場合には、その取得した不動産=土地と建物の取得価額をそれぞれ決めないといけませんが、その時に一般的に利用されるのが「固定資産税評価額」です。
固定資産税評価額は自治体が固定資産税を賦課する基礎として算出した評価額であり、客観性が高いものとして土地・建物の取得価額の算出に幅広く使われています。
全体の不動産取得価額を固定資産税評価額比で按分し、土地と建物それぞれの取得価額を決めていくわけです。
その時、例えば土地と建物の割合が70%:30%であったとして、1億円の不動産を買った場合、土地が7,000万円・建物が3,000万円とそれぞれ取得価額を認識することになります。
土地は償却資産ではないので、建物の3,000万円がこの不動産の減価償却対象となるわけですが、仮にその全額を一括で償却できたとしても、投資金額に対する償却費の割合は30%(=3,000万円÷1億円)が上限となってしまいます。
一方で、土地と建物の割合が20%:80%となった場合はどうでしょうか。
当然ながら投資金額に占める償却費の割合が80%となり、こちらの方が償却効果=課税繰り延べ効果が高くなる、ということになりますね。
つまり、

 

・土地が安い不動産であること
・築古である(法定耐用年数に近いか、法定耐用年数を経過している)こと

 

の2点が揃って初めて、減価償却の効果を使った投資商品が出来上がるということになります。

 

日本の場合、不動産に占める土地評価額の割合がどうしても高くなりがちで、このようなコンセプトの投資商品がなかなか作りにくいというのが実情です。
一方、海外の場合は、土地の値段が安く、また高温多湿の日本と異なる環境の場合、築年数が古い木造住宅でも十分価値のある建物が存在します。
そのようなエリアを対象として、減価償却の効果を使った投資商品が作られるわけです。
最近までアメリカの築古木造住宅が投資対象として多く扱われてきたのは上記のような環境にあることに加えて、同国のカントリーリスクの低さや米ドルの安定性、インフレ傾向の強い市況から不動産自体の価値も右肩上がりとなり安定した運用が望める(キャピタルゲインも期待できる)ということが要因でした。

しかしながらご多分に漏れず、海外の築古木造住宅についても法規制がかかることになります。
これは次回のコラムでお話ししたいと思います。

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