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COLUMN

コラム第67回 「節税」商品について ②投資資産を通じた「節税」

前回、「節税」商品のイントロダクションとして少額の資産に関する償却制度のお話をしました。
今回はそのような資産を取得する行為がどのように「節税」商品として扱われてきたのかをお話ししたいと思います。

 

取得価額10万円未満の資産はその取得価額の全額を取得時に償却処理=費用化でき、中小企業の場合は30万円未満の資産について(合計300万円まで)同様に取得年度で費用化することができます。
しかしながら、そのような資産=会社にとって必要とされる資産が都合よくいつもあるわけではありません。
取得すべき資産がなければ、当然、資産の取得行為を行いませんので、費用化することもありません。

 

ただ、取得した資産を「ほかの人」が使う場合はどうでしょうか?
自らが取得した資産を、自らは使わずに第三者にリースするケースです。
その場合、リースする側は「自分が取得した」ものとして取得年度にその取得価額の全額を償却処理し、会社の利益を圧縮させることができます。
一方でリース料を借り手から受け取ることにより、投資資金を回収することができます。
このパターンで、例えば工事現場の足場やドローンなどに投資するケースが出てきました。

 

また、「中小企業経営強化税制」というものがあります。
これは中小企業の設備投資による企業力の強化や生産性向上を後押しする制度で、中小企業が、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づいて新たな設備を取得し、指定された事業にそれを利用すると、即時償却または取得価額の最大10%の税額控除という優遇が受けられる税制です。
この制度を使えばより大きな資産の取得価額相当を取得年度に償却処理することができるわけで、これを使ってコインランドリーや暗号資産のマイニングのための設備などに投資するケースも出てきました。この場合も足場などと同じく、取得した資産を第三者にリースし、自らは即時償却のメリットをとりつつリース料で投資資金を回収するというビジネスモデルです。

 

こういった、工事現場の足場やドローン、コインランドリーなどの投資を積極的に勧誘する業者も現れてきます。

一方で、税務当局にとってはこのような行為は「目に余る」ものがあったのかもしれません。
税務当局はこういった投資・資産取得に関して様々な規制をかけました。
そのお話は次回にしたいと思います。

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