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COLUMN

コラム第69回 「節税」商品について ③投資商品に対する法規制

前回は投資資産の取得価額を取得した年度に償却処理=費用化されるパターンを挙げてみました。
今回はこれらに対する規制強化のお話です。

 

ドローンや足場といった少額の資産を取得し、第三者にリースして自らは即時償却のメリットをとり、投資資金をリース料で回収するというモデルは、令和3年(2021年)の税制改正大綱でその封じ込め策が発表されました。
法人税法施行令133条・133条の2において、即時償却の処理が可能な少額の資産の定義に、

 

「貸付け(主要な事業として行われるものを除く。)の用に供したものを除く」

 

という文言が加わったのです。
節税対策として取得されていたドローンや足場などはそのほとんどが自らの事業として取得したのではなく最初から第三者にリースすることを企図して取得しているので、一斉に税務当局が網をかけた形になりました。

 

そして今年の4月以降から、「中小企業経営強化税制」も上記と同様に

 

「コインランドリー業又は暗号資産マイニング業(主要な事業であるものを除く。)の用に供する資産でその管理のおおむね全部を他の者に委託するものを除く」

 

と、最初から第三者にリースすることを企図した取得資産はこの税制の対象外となりました。

 

このように、償却メリットを享受する投資というのはその法制度が一言変わると一瞬でその意味合いがなくなってしまいます。
中小企業経営強化税制は即時償却などの減価償却メリットを活かすことで企業の投資を促進する制度なので、決して減価償却費を使った利益の圧縮効果が否定されるものではありません。
あくまでその投資=資産を取得することの趣旨がどこにあるのか、それが税務当局にとって重要です。
投資案件を検討する際はそのようなリスクを常に念頭に置きつつ、そして正しい価値で投資が出来ているのかを冷静に見極める「目」を持つ必要があるといえるでしょう。

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