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コラム第13回 太陽光発電事業 ⑤制度改正の変遷

先のコラムでご説明したように、全量買取の固定買取制度は2012年より始まりました。
その「固定買取制度元年」から丸9年が経ち、売電価格の改定をはじめ様々なルールの変更がなされています。
今回は昨今導入・検討された種々のルールや規制をご紹介したいと思います。

 

(1) 売電価格

 

固定買取制度が導入された2012年度の発電容量10kW以上の発電設備における買取単価はワットあたり40円でした。
そこから毎年買取単価は下がり、2017年度から一定の容量以上の案件については特定の価格を定めず事業者による「入札」方式が導入されました。現在では250kW以上の太陽光発電設備の設置を行う場合は入札の対象となっています。
資源エネルギー庁公表の資料によれば2020年度下期の平均落札金額は11.20円/kWh。
2012年度と比較すれば1/3以下に落ちています。
この買取単価の下落は太陽光案件開発事業の市場にも当然ながら大きく影響を与えており、「これから開発する買取単価10円台前半の案件で20年の売電収入を得る」よりも「3〜5年稼働した買取単価30円台の案件で残り15年超の売電収入を得る」方が投資効率が良いということで、稼働済みのいわゆる中古案件の市場価値が高く評価されていることの要因となっています。

 

(2) 撤去積立金

 

今年2月に資源エネルギー庁は電力会社との売電契約が終了した後の発電設備の撤去費用に関して、売電期間の折り返しである10年目(正確にいうと、売電期間の終了前10年間です)から順次積み立てることを想定して必要金額を公表しました。これは2022年7月までに導入が始まる見込みで、積み立てる方法は外部積立(売電額から源泉徴収のような形で特定の機関に積み立てる)方式と内部積立方式がありますが、内部積立方式はその適用条件が厳しくほとんどの場合が外部積立によるものになるのではと思います。
積み立てるべき総額は売電価格(FIT単価)と設備の規模で決まり、月々の売電量により毎月の積立金額が決まっていきます。例えばFIT36円の案件(2013年度案件)の場合は1.40円/kWh、FIT18円の案件(2018年度案件)の場合は0.80円/kWhとなっていて、その金額に大きな違いがあることがわかります。

※出典:資源エネルギー庁「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則の概要」

 

不動産と同じく、太陽光発電設備も長期保有をする場合には修繕費を考慮する必要がありますし、その事業が終了する場合は設備を解体・撤去しなければなりません。
今回の公表は発電事業者に将来の撤去費用の積み立てを義務付けるもので、法令化された場合、投資検討時にこの撤去費用を考慮していなかった事業者はもちろん、考慮していたとしても今回の例示と比較して低めに見積もっていた場合は追加の負担が生じることになり、当初想定の収支が狂うことになります。

 

(3) 託送料金(発電側基本料金)

 

発電事業者が保有する太陽光発電設備で発電した電力を電力会社の既存の電線(これを「系統」と呼んでいます)につなげる際の工事費用は基本的に電力会社と発電事業者とで協議の上決定します。これを業界では「連系費用」と呼んでいます。
固定買取制度が始まって以降、全国各地に発電設備が誕生した結果、その系統に接続する負担が電力会社ひいてはそれを消費する消費者に重くのしかかってくるようになりました。
その消費者側・電力会社側の負担を軽減するために、発電事業者側に新たに負担を求める措置が現在検討されています。これを「託送料金」または「発電側基本料金」と呼び、現時点では2023年度から賦課される可能性があります。金額は年間1,800円/kW程度が想定されており、これは太陽光発電設備の設備利用率ベースで換算した場合、設備利用率14%で1.5円/kWh程度、設備利用率17%で1.2円/kWh程度となります。

 

 

太陽光発電事業へ投資をするにあたってはこういった新しいルールや規制などを考慮し、適切に収支予測を立てなければいけません。
ただ、一般の投資家にとってはこれらのリスクを適正に見積もることは当然のこと、このような制度改正・環境変化を適切にキャッチアップすること自体が難しいかもしれません。
そのため業界に対する知見や経験値が豊富で、しっかりと情報・状況を把握し投資家への情報開示を適切に行う専門家が安心できる投資のためには必須で、弊社は投資家の皆様にとりそういった立場であることを目指しています。

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