- 投資
- 2022.03.22
コラム第39回 利回りについて④ 利回りの分母
前回のコラムでは表面利回りとネット利回りについて、その計算の分子となる数字の違いをお話しました。
今回は利回り計算の分母となる「投資金額」についてのお話です。
不動産のチラシで見かける「利回り○%」という数字で分母に計算されているのは不動産の売買金額です。
そして前回お話ししたようにチラシに載っている「利回り○%」は表面利回りが一般的ですから、
月額賃料:40万円
物件価格:1億円
だとした場合、チラシには
40万円×12ヶ月÷1億円=4.8%
という形で計算された4.8%が載ってると思います。
しかしながら、物件を買う時にかかるのは物件売買価格だけではありません。
例えば仲介手数料。
一般的に物件売買価格の約3%が仲介手数料としてかかります。
それ以外にも所有権移転登記費用や、借入をして取得する場合は抵当権設定費用がかかります。また不動産取得税もかかりますね。
さらに言えば、消費税もかかります。
例えば上記の計算式で使用した物件について仲介手数料が300万円、登記費用・税金などの初期費用が200万円かかったとすると、修正表面利回りは
40万円×12ヶ月÷(1億円+300万円+200万円)=4.57%
となります。
※議論を簡略化するために上記の計算では全て消費税込みとします
このようにして数字をよりリアルなものに修正していく必要があります。
お金がどう回るか、しっかりとリターンを稼げる投資なのかは表面上の情報にとらわれず様々な要素を見ていく必要があることが、利回りという概念ひとつとってもお判りいただけるかと思います。