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COLUMN

コラム第49回 プロジェクトファイナンス ②ノンリコースローン

プロジェクトファイナンスとあわせてよく聞く言葉に「ノンリコースローン」があります。
「ノンリコ」とも呼ばれるこの言葉はプロジェクトファイナンスにおいて切っても切れないものなのですが、「プロジェクトファイナンス=ノンリコースローン」と混同しているケースも多いようです。
今回はこの「ノンリコースローン」についてお話ししたいと思います。

 

前回取りあげたコーポレートファイナンスとプロジェクトファイナンスの違いについて、

 

「コーポレートファイナンスはその回収原資を問わない」

 

というお話しをしました。

コーポレートファイナンスにおいて使われる融資の手法は「リコースローン」と言われるものです。
リコースというのは「遡及する」という意味で、金融の世界では「資金回収のためにどの範囲まで担保・保証を求めるか」ということの定義に使われます。
リコースローンは資金使途に直接関係しないものの担保や保証をとる融資の方法です。
事業と関係のない不動産に担保設定したり、保証協会の保証や代表者の連帯保証を差し入れたりするのがそれに当てはまります。

 

一方でノンリコースローンは「ノンリコース」=遡及しない、という意味なので、資金使途に関連した資産や権利のみを担保の対象とします。
企業が複数の事業、例えばAというプロジェクトとBというプロジェクトがあり、プロジェクトAに関してノンリコースローンを組もうとした場合、あくまで借入金の返済原資はプロジェクトAの売上金のみとして、貸手はプロジェクトAに関連する資産や権利のみを担保として抑えます。
代表者の連帯保証なども求めないのが基本です。

 

ここまで書いてお分かりかと思いますが、プロジェクトファイナンスというのは資金調達の一つの考え方であり、ノンリコースローンはその具体的な融資の技術的な手法です。
ただ、プロジェクトファイナンスを行う際の借入はノンリコースローンが基本ですので、どちらの言葉も同じシチュエーションで多用されます。

ノンリコースローンはこのように担保資産・保証行為の範囲が限定されていくことから、逆に「対象となる事業(プロジェクト)以外のリスク」の影響を可能な限り受けないように仕組みを作ることが必要となります。
ただでさえ回収の原資や担保の範囲が限定されているのに、対象事業と直接の関係がない事象で返済ができないということがあってはならないからです。
では具体的に、どのような仕組みを作っていくのでしょうか。
それは次の回でお話ししたいと思います。

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