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COLUMN

コラム第44回 不特法について ③任意組合型の不特法ファンド

前回のコラムにて、不特法には「任意組合型」と「匿名組合型」それぞれのファンドがあるというお話をしました。
それぞれの形態について、もう少し詳しくお話をしたいと思います。
まず、任意組合型の不特法ファンドについて。

 

任意組合はこちらのコラムでご説明したように、

 

「原則として組合員全員で意思決定を行い、組合員全員で責任を負う」

 

という性格を持っています。
これを不特法ファンドに当てはめると、物件の取得や運用、処分といったファンド運用の意思決定を組合員全員で行うということになります。
ただ、不特法ファンドの場合、ファンドを組成した不特法業者が「業務執行組合員」となり、上記のようなファンド運用に関する各種の行為について組合員を代表して行うよう、予め契約にて合意しておくことが一般的です。

 

そして任意組合型の不特法ファンドの場合、その業務執行組合員の名前で対象不動産の売買や賃貸に関する契約行為を行います。
従って、謄本(登記情報)上「所有者」として名前が記載されるのは業務執行組合員となるのが一般的かと思います。
任意組合は組合員全員で責任を負うので、本来であれば謄本に組合員の名前が載る「共有」の形になるのですが、業務執行組合員がその立場を代表して謄本に自らの名前を載せている、と考えればイメージが湧くかもしれません。

 

では組合員は何を取得することになるのかというと、「対象不動産」を直接取得するのと同じになります。
前回のコラムでも記したように投資家は「土地」や「建物」を直接保有するのと同じ効果を持つので、投資家の勘定(バランスシート)には「土地」や「建物」が計上されることになります。
それがどのような効果を持つかというと、例えば投資家の相続税評価の際に出資しているものの評価について土地や建物に対する評価と同じように扱われます。
相続税評価における土地の評価の原則は路線価で行われ、建物は固定資産税評価額で行われるので、対象不動産の売買価格と相続税評価額の差を特徴としたファンドもあるようです。これは任意組合型ファンドの性格をうまく利用していると言えるでしょう。

 

では、匿名組合型ファンドはどのような形になるのか、それは次回のコラムにてお話したいと思います。

 

※不特法ファンドの会計・税務上の取り扱いについては顧問税理士・会計士にご確認ください。

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