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COLUMN

コラム第15回 「ファンド」の種類 ①任意組合

私どもミナトマネジメントは、様々な種類のファンドを取り扱っています。
第1回のコラムでファンドというのは

 

「複数の人のお金を一つの器に集め、その集めたお金を何がしかの形で運用し、その結果得た果実(損益)をお金を出した人に分配する」

 

というものだ、とお話ししました。
その「ファンド」の種類について、前にお話した「匿名組合」以外のものをいくつかご説明したいと思います。

今回は「任意組合」についてです。

 

任意組合は、一般的には民法に基づく組合契約により構成される組織をいいます(以下説明の重複を避けるため、この定義による組織を「任意組合」と呼びます)。
任意組合の最も大きな特徴を一言でいうと、

 

「原則として組合員全員で意思決定を行い、組合員全員で責任を負う」

 

です。
第3回のコラムにおいて、民法上の組合契約の定義を、

 

「各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる」

 

と定めているという説明をしました(民法667条)。
任意組合において権利は組合員全員で共有し、各組合員はその出資持分割合や損益分配割合に応じた権利を持ちます。
そして、任意組合を語るうえで最も重要な性格の一つが、

 

「組合員は債務に対して『無限』責任を負う」

 

ということです。

 

一般的には投資家は出資した金額の範囲内でしか責任を負わないと考えられがちです。
例えば株式会社における株主の場合、自らが出資した株式の範囲内でしか責任を負わず、会社が大きな債務を負ったとしても株主だからと言って出資額以上の責任を負うことはありません。
これを「有限責任」というのですが、任意組合の場合、組合が負った債務や義務に対して、組合員はその出資額を超えて責任を負います。つまり、例えば組合が他者から借り入れを行った場合、その借入債務は組合員個々の債務にもなるのですが、その債務弁済責任は自らが出資した金額以上の額を負わなければなりません。
これが「無限責任」という言葉の意味です。

 

また、任意組合は組合契約によって契約当事者=誰が組合員かをお互いに知ることになります。
そして組合としての登記は出来ませんので、例えば組合名義の銀行口座などは開設できない場合も多く、その場合資金管理は組合員のうちの誰かの名義の口座を使うことになります。
そのため、任意組合を使うのは、

 

・組合が行う事業のことを組合員全員が理解しており、各組合員は組合の事業に対して無限責任を負ってもいいという経験値あるいは判断力を持っている

 

・組合員同士が「お互いに知らない仲ではない」という状態であり、特定の組合員に組合事業に係る資金の管理を委ねてもよいという信頼関係が構築されている

 

というような状態が典型的なケースになると思われます。
例えば映画の製作委員会などがこれにあたります。製作委員会の場合はお互いの役割が明確な中でコンテンツを製作し、商流を各組合員が担う形であって、かつ契約で成立する組織という手軽さもあり、任意組合の形態がフィットしているのかもしれません。

 

いずれにせよ、上記の通り任意組合においては投資にかかるリスクは「無限責任」として負うことになるので、投資を検討する場合は投資スキーム(契約形態)がどのようなものなのか、また事業に係るリスクをしっかり理解できるレベルまで事業者から受けているか、十分に検討する必要があるでしょう。

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