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COLUMN

コラム第65回 PE

ミナトマネジメントがファンド事業を始めた当初、主な投資家は日本に拠点を持たない海外の方々でした。
海外の投資家に限らず、クロスボーダー投資をする場合に最も重要な論点の一つが国内外の税負担です。
今回は海外投資家にとって重要なキーワードになる「PE」についてお話しします。

 

私どもが組成するファンドでは「パススルー」といって、ファンドの核となるSPCでは法人税課税を受けずに投資家の法人税(または所得税)計算に組み込まれる形式をとります。
※パススルーについての概説はこちらをご参照ください
海外投資家(税務上の国内非居住者)もこれは同様で、日本国内を源泉とした収益に関しては予め定められた税率での納税(源泉徴収される場合がほとんどです)をするだけで終わります。

 

しかしながら、その投資形態や日本国内での活動・態勢により、「PEを保有している」とみなされる場合があります。
PEとは「Permanent Equipment」の略で、日本語では「恒久的施設」と翻訳されます。
その場合、パススルー課税とならずにSPCが法人税を課税されることになります。
例えば弊社が組成するファンドで最もポピュラーなのは「GK=TKスキーム」という、投資対象の管理専用の合同会社(SPC)を設立し、当該合同会社を営業者として匿名組合を組成するというパターンなのですが、この場合の匿名組合契約の内容や組合員たる海外投資家の本ファンドへの関わり方によってはこのSPCがPEとみなされてしまい、本来パススルーで終わる課税関係がSPCに法人税課税がなされることになってしまうわけです。

 

税負担は投資家にとっても現金受取額に大きな影響を及ぼすため、PE認定されてしまったSPCからの「税引き後」の収入は大きく変わってくることになります。
SPCも投資家もどちらも日本国内の者であれば法人税法上は「どちらから税金を取るか」というだけの話なのですが、投資家が海外にいる場合は法人税の対象がSPCだけになってしまうので、 SPCのレベルで税金がとれる状態にしておくという思想がPEの概念を産んだとも言えます。

 

このような事態を避けるためには、海外投資家向けのファンドは日本国内投資家向けのファンドとはまた異なる角度でスキームの検討を進めなければなりません。
ここでその方法を多く書くことはできませんが、ミナトマネジメントはこれまで様々な投資家・シチュエーションでのファンド組成を行ってきたことを一つの経験値として対応をしています。

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