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COLUMN

コラム第18回 投資家の種類 ②適格機関投資家特例とは

前回のコラムで金融商品取引法上の投資家のカテゴリー(プロ・アマ)について、またその前のコラムにて投資事業有限責任組合(LPS)任意組合(NK)についてお話しました。
これと以前お話した匿名組合(TK)などについて、ファンドの組成により投資家が取得するのは「組合出資持分」であり、それは金融商品取引法上の「みなし有価証券」というものでその募集行為はプロである「第二種金融商品取引業者」により行われる必要がある、というお話をしました。

 

LPSもNKも基本的には同様です。同じ組合出資持分=みなし有価証券である以上、その募集行為は第二種金融商品取引業者により行われる必要があります。
ただし、ファンドへ投資する投資家の構成によっては、そのような金融商品取引業者を入れる必要がない場合があります。
「適格機関投資家等特例業務」と言われるものがそれで、今回はそのお話をしようと思います。

 

前回のコラムにてお話したように、適格機関投資家というのは「プロ中のプロ」と分類される人たちで、そのような投資家は金融商品取引業者による詳細なリスク説明や契約条件の説明がなくても自らの経験値と能力で投資判断ができる、とみなされます。
そして、ファンドといっても投資対象が様々であるように、ファンドの投資家の構成も様々です。投資家が1人でもファンドを作る方法はありますし、今では広く知られるようになったクラウドファンディングもファンドの一つです。投資家の投資金額も数万円と言った小額のものから数十億・数百億といった高額のものまでいろいろあります。

 

そのような中で、少人数のプロ同士で組むファンドというのも多数存在します。
適格機関投資家は自らが投資判断する能力があるとみなされること、そして募集する投資家の数が少人数の場合上記のようにプロ同士で組むファンドが多いことから、ファンド組成の機動性を持たせるという趣旨で簡易な手続きによりファンドを組成することが認められています。
それが「適格機関投資家等特例業務」と言われるものです。略して(といってもそこまで略されてはいませんが)「適格機関投資家特例」「特例業務」などと呼ばれたりもします。

 

適格機関投資家特例の場合、募集行為に金融商品取引業者が介在する必要はなく当局への届出のみで行うことができます。
以前はこの制度を利用して「一名の適格機関投資家+アマの投資家」という形でファンド組成をするケースが多くありました。
しかし今は投資家保護の観点から、この制度を活用したファンドに投資できる投資家の属性も細かく規定されており、いわゆる一般の投資家向けには利用できないファンドとなっています。
金融商品取引業者が介在しないファンドというのはあくまで投資家側がプロかそれに近い存在と認められる場合に限る、というスタンスですね。

 

今では安易に適格機関投資家特例を利用する会社などはいないかもしれません。
しかしながらこういったファンドの特徴を理解することで、ファンド組成をする業者側の意向や投資家としての押さえておくべき点なども見えてくるように思います。

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